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2013年、ソーシャルゲームの熱量はどんどん枯渇していく・・・かもよ。前編


ソーシャルゲーム市場はまだまだ成長できるのか

一昨日(1/15)、矢野経済研究所から「日本国内におけるソーシャルゲーム市場規模推移と予測」というレポートが出されました。 Social market02

発表によると、国内ソーシャルゲーム市場は成長を続けており、2012年度は前年度比137%の3870億円、2013年度は同110%の4256億円と、成長率は鈍化するものの今後も拡大が予想されている。

ちょっと前に三菱モルガン・スタンレーが2013年で約3000億円予測とか言ってたので、どっちが正しいのかよく分からんけども、いずれにしても2012年から13年にかけては10%程度の伸びということでモルガン同様鈍化予測であるという点が注目です。

しかしここ数ヶ月の動きを見ると、これからの半年の舵取りを間違えると10%の成長すら厳しい気がしているのでそれについて考察してみました。

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2012年はコストが増大した年

2009年秋に怪盗ロワイヤルが登場し、一気に市場を形成した翌年2010年9月にドラゴンコレクションがサービス開始、すぐに大ヒットしてカードバトル市場が本格化しました。

カードバトルは仕様もカードもクオリティが上がり、とうとうカード制作の外注費が1枚7万円や10万円という超厚塗り時代に突入しました。

そして開発費全体も高騰し、当初は5〜600万で作れたソーシャルゲームも2000万、3000万、5000万という時代になりました。

コスト面の増大に関しては、サイプロさんが以下の記事でまとめられているのでそれ見てもらった方が早いですね。

ソーシャルゲーム市場が下降している理由と上向きにする方法| サイプロ ~とあるサイトプロデューサーのブログ~

2013年は売上鈍化に苦しむ年かも

さて本題。今年の話。

コストの増大に区切りが付いたとして次に怖いのが売上自体の鈍化です。

まだまだ市場全体は成長基調だと思うので、本来ならば10%くらい成長すると思いますが、個人的にはその成長に黄色信号が点った気がしています。

何故か。

ソーシャルゲーム業界が一気に掘り尽くす施策に傾倒してしまったから。

何を?

ユーザーの熱量(財力と時間とモチベーション)を。
2011年、12年とソーシャルゲームユーザーの熱量を取れるだけ取ってしまったので、その枯渇分を新規の熱量で補えなくなってくるんじゃないかと。

パズドラのような「ゲーム寄り」かつ「熱量をコントロールした作品(ぽかぽか運営)」が成功してしまって、よりソーシャルゲームの熱量搾取っぷりが表面化してきました。

コンプガチャ規制という分かりやすい事象のウラで、この変化も重要である気がしています。

熱量とか意味不明なこと言ってスイマセン

Play ipad
ゲームを続けるモチベーションややめるきっかけってお金だけじゃないよなあと思って無理やり言葉作りましたw

一応こんなイメージです。

消費熱量=コスト x 時間(期間)


ゲームだけでなく、趣味やスポーツもそうかなと思うのですが、やり続けるモチベーションや財力を熱量とすれば、コストはお金、体力、気力となりますね。

「体力の限界!」でスポーツを辞めることも多いし、資金が底を付いたらガチャを回したくても回せない。

各人が持つ総熱量は人によってもともとの容量に差はあるけど、ある日突然とか短期間で増えるものではなくて、毎年少しづつ補充されていくようなイメージ。

だから補充される熱量以上に消費熱量が上がればどんどん総熱量が減っていく
時間は一定に流れていくので、過剰課金やギルド・フレンド縛りでコストを上げ過ぎると途端に熱量が枯渇しちゃう。

あとは追加要素で、神運営とかユーザーフレンドリーな努力で若干の総熱量の引き上げが可能だとは思います。

コストを強いれば時間が減って熱量が枯渇する

「ゲーム」を「コンピューターゲーム」とするならば、ゲームをしない層から新たな熱量を掘り起こし、市場を作った「ソーシャルゲーム」は素晴らしいと思います。

しかし、
対人での宝の奪い合い→カードバトル→ガチャ導入→カードステータスのインフレ化→レイドボス→ギルド制
と、利益の最大化を追い求めた結果、新しく掘り起こしたソーシャルゲームユーザーの熱量を一気に搾取してしまいました。

広く浅くたくさんのユーザーに少額課金してもらう方向ではなく、ユーザー同士で奪い合い課金し合う、取れるところから搾り取るという、狭く深い過剰課金のビジネスにしてしまったように思います。
コストとしてお金を使える層に対して、一気に搾取する仕様のため、2年3年と長く楽しめるものではなくなりました。

立て続けに延々と続くイベントで、カードスペックもどんどんインフレ化するため、2−3ヶ月離れるともう付いていけません。
昨年秋にドリランドがカムバックキャンペーンを大々的にしましたが、みんなが貰えるようなレアカードを貰ったって休止期間の差は埋まりませんし、インフレに付いて行けないでしょう。

課金層の熱量(資金&気力)枯渇は日に日に増しているのではないかと感じています。

1年もやれば非課金も飽きる

非課金でプレイしている層も、1年やってれば大体一服するんじゃないでしょうか。

ワタシが1年以上続いたゲームって、
・Ultima Online
・EverQuest
・Dark Age of Camelot
・モンスターハンター2G/3G
・コロプラ
・戦コレ
だけだったりします。

Everquest
上3つは廃人時代のMMOだし、モンハン除いたらモバイルではコロプラと戦コレだけ。
この2つはホント凄いと思った。

いずれもそれなりに課金したけど、それ以外だとガンダムマスターズを7ヶ月(通算で1万円くらい課金したかな)、ドラコレを10ヶ月(非課金)くらいで、後は50本くらいのソーシャルゲームをやったけどあまり続かずすぐやめました。

Axel Gamesのレビュー用にたくさんやったけど、あまり書くことなくてユーザーとしては続ける気力がなくてやめちゃった。

そういう意味ではもうソーシャルゲーム(カードバトル)のユーザーとしての熱量はほとんど残ってないんだなと思います。

今考えると、自身が手がけた「キミとボクと魔法のタネ」を1年以上プレイしてくれた人もたくさんいて、凄いありがたかったなとしみじみ思います。
今、1年プレイしてくれるものを作るのは本当に大変だし。

非課金で続いても大体1年、長くても1年半くらいで一服する人が多いと思うので、カードバトルが乱立して1年以上経つ今は、そろそろ既存のハマリタイトルへの一服感が出てくる人も多いはずです。

【後編へ続く】

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@J_Kumagai

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