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これからはネイティブ?いや、まだブラウザ?…ではなくてソーシャルゲームが死んだだけの話


ねえ知ってる? もう誰もソーシャルってコトバ使ってないんだよ

DropShadow ~ gameoverth  mini 最近はスマホゲームも「ネイティブアプリ」が大躍進し、各所で「ネイティブの時代だ!」いやまだまだ「ブラウザはイケる!」てな「ネイティブ VS ブラウザ」的な記事をよく見かけます。

今更パズドラの成功をあげるまでもなく、昨年秋からの動きを見ていればネイティブの時代になったのは明白です。

「これからはネイティブだ」的なコメントはその辺のアナリストに任せて、ウチでは昨年秋以降に出たネイティブゲームを追いかけながらチョット考えてみました。

で、考えるまでもなく結論。

「これからはネイティブアプリの時代」と言うより、スマホでは「ソーシャルゲーム(ポチポチゲー)がやっと終わった」ということです。

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夢潰えた屍を追うのが近道

2013年春以降にサービス終了のアナウンスがあったネイティブタイトルをメインに、サービス中ながら苦戦のものも含めメーカー毎に並べてみました。

なにぶん、私の知っているもの以外は検索で出てきたものだけなので、どうしてもリリースが出た一部の上場企業のタイトルに偏る面はご容赦を。

【GREE】

GREE logo 6/27 終了
MODE STYLE、三国神記

6/28 終了
Poker Creature、Manteka Hero、Soul Island、ドラゴンアーク

8/28 終了
Wacky Motors(ワッキー モーターズ) 、モンプラスマッシュ

まず、落ち目一直線のGREEは、2013年に入って国内向け内製のネイティブがほぼ全滅です。
決算期が6月なので、そこでサービスを停止すべく最終営業日の6/28までに分かった範囲だけで6タイトル終わらせています。

2〜3ヶ月前にサービス停止申請をSAPに強いている割に、自社の内製タイトルの急な終わり方はコレでいいんでしょか。。w

ウチでは、Poker Creatureは酷評し、モンプラスマッシュは課金面を糾弾しました。

ポーカークリーチャー レビュー これがGREEの北風バランスだ!
モンプラスマッシュ プレイレポ モンプラがiOSアプリになったぞ!

DropShadow ~ dragonark01th  mini ドラゴンアークはそもそもが問題アリアリでしたし、いずれもこの結果は当然でしょう。
個人的にはモンプラスマッシュの諦めが早かったなあとは思いましたが。

さらに割とお金をかけて作ったであろう「どうぶつフレンズ」は1ヶ月経ってもiOSではトップセールスで300位付近がやっと、先行したAndroid版でどこまで稼げてるかだけど現状で話題性は皆無。

「絶対防衛レヴィアタン」もiOSで200位前後だけど、これが一番マシという状況。

というわけで、2012年秋以降のGREE内製ネイティブはまさに壊滅状態です。

【DeNA】
Mobage logo 4/30 終了
InfinityBladeCross

7/5 終了
学校の星☆ 、忍者ロワイヤル、アクアコレクション、牧場ホッコリーナ、プティの王国

実は、DeNA自体も内製はここ最近ずっとロクなヒットが出ていません。
スマホ向けにネイティブでチャレンジした忍者ロワイヤルはカスリもせず、海外でも怪盗ロワイヤルは撤退と、ロワイヤルブランドは一段落してしまった感があると思います。

7/5に一気に5タイトルを閉めていますが、現状サービス中のネイティブもかなり苦戦しています。
全米1位を取って凱旋してきた「Blood Brothers」は、国内ではイマイチ伸びずにiOSでは150位〜200位。

そしてもっと深刻なのは「ドラゴノア」でしょうか。

DropShadow ~ dragonoath  mini  1 今年2月3月に大量のTVCMを投下したにもかかわらず、先行したiOS版でトップセールス100位内にすら入れず、5月には250位平均、6月以降は300位以下に落ちてAppDBさんではデータなしになるほど低迷。

予定されていたAndroid版は一向に出る気配もなく、恐らく既に大幅な人員削減をしてるでしょうし、次の決算過ぎたタイミングでサービス終了が出てもおかしくないと思います。

このように、GREE同様DeNAも自社内製では特に国内であまりヒット作を出せていないわけです。

【スクエニ】
7/16 終了
ギャラクシーダンジョン
DropShadow ~ galadun titleth  mini
【SEGA】
7/1 終了
クエプラ-Quest of Planet-
DropShadow ~ quepla01th  mini
他にもまだまだあったと思うけど、すぐに思い出せるのはこんなもんかな。

スマホに限らなければ、例えば「なでしこコレクション」のような大爆死が至るところであって、半年以内で出たカードバトル系で勝負できているタイトルは非常に少ないかと思います。

パズドラっぽいネイティブを作ったのに低迷している作品

DropShadow ~ nayamu sekizoth  mini トップセールスは相対ランキングなので、xxx位だからどうなの?と言われればそれまでですが、開発及び運営チームの人件費を考えた場合、月間数千万単位で売上が出ないと辛い市場です。
トップセールスで150位近辺でも、iOSのみだとかける人件費によっては単月チャラでギリかも知れないなあとも。

私が今までプレイした中で、昨年末以降にリリースされたネイティブゲームで、かつカードバトル系からパズドラ、キンコン系に変えたけどイマイチ失敗してる作品という形でピックアップすると・・

運命のパズルビースト
ミリオンサマナー
忍者アームズ
神連鎖ジュエルヘブン
神狩 デモンズトリガー
ダークアビス
ダークラビリンス
地球壊滅的B級彼女


あたりがぱぱっと浮かんできます。

いずれもiOSトップセールスでほぼ150位以内に入れないどころか、既に300位以下で不明なタイトルも多いです。

低迷するのはソーシャルゲームだから

さて、先にあげたここ最近でサービスが終了した作品と、苦戦している(と私が勝手に思っている)作品を並べてみると凄く当たり前の単純な理由が浮かび上がります。

ネイティブでソーシャルゲームをやってももうみんな見向きもしないよ
ってことですね。

DropShadow ~ fuseikaith  mini ここにあげたタイトルのほとんどが、

・コアゲーム部分(パズルやスロット、バトル部分)が戦略性、ゲーム性なし
・結局課金で強いレアを引けるかどうかだけになっている
・強いレアを異常に低確率にして廃課金者を煽る戦略(狭く深く取る戦略)
・リッチすぎて重い、重過ぎて遊ぶ気がしない。

で、3項目くらい当てはまることで共通しています。
そして最初の3つはいわゆる「ソーシャルゲーム」特有の項目でもあります。

アニメーションとBGM,SE,CVをふんだんに使い、派手な演出を入れたとしても中身がポチポチで、ガチャで強レアを引くだけ。
結局ネイティブアプリでも「ソーシャルゲーム(=ポチポチバトル)」を作ってるだけなんですね。

「ソーシャルゲーム=仲間と楽しむゲーム」なんてお花畑なイメージは、もう誰も持っていないでしょう。ゲーマーやゲーム好きからはかなり忌み嫌われるワードになってかなり経ちますから。

そしてスマホユーザーは、ガラケーユーザーに比べてまだゲーマー比率が高いこと、パズドラ等の優れた「ゲーム」にたくさん触れたおかげで目が肥えてきたことと相まって、もう「ソーシャルゲーム」には惹かれなくなってきています。

ゆえにパズドラっぽいUI&仕様にしてもコア仕様が「ソーシャルゲーム」だと、現状ネイティブだろうがブラウザだろうが関係なく失敗する確率が高いと言えます。

リリース後即沈んでそのまま…というブランドタイトルが増えてきた

DropShadow ~ sinkth  mini 例えば、パズルビースト、ジュエルヘブンはパズルの意味がない運押しですし、デモンズトリガーやB級彼女のスロットもゲーム性ゼロ。忍者アームズも課金8方向持てば戦略も何もないですし、ダークラビリンスはただ重いだけのポチポチです。
※個人の感想です

「ソーシャルゲーム」を作っていた人達はコレでネイティブもイケると思ってたんでしょうが、本当に遊べる「ゲーム」がネイティブアプリとして出てきたため、「ソーシャルゲーム」の底の浅さが思いの外早くスマホユーザーに見抜かれてしまった…

モンプラ → モンプラスマッシュ
ダークサマナー → ダークラビリンス
運命のクランバトル → 運命のパズルビースト


などは、ガラケーソーシャルの文化からスマホネイティブへのブランド移行の分かりやすい失敗例じゃないかと思っています。
いずれもソーシャルゲームとして非常に好調だったブランドですが、ネイティブゲームにした途端全く響いていません。

怪盗ロワイヤル、カイブツクロニクル、ドラゴンコレクションなんかもブランドを活かしたネイティブゲームにうって出て全て沈んでいますね。

2013年になってリリースされたネイティブのカードバトル、ギルドバトル系でトップセールス50位以内を2ヶ月以上維持した作品もいくつかあるので、カードバトルがもう全部ダメということはないと思います。

が、ソーシャルカードバトルが楽しいと思ってくれる層は、スマホ時代になって確実に半減どころか1/4くらいになるでしょう。

SAP側でもスマホでは既に亡き者扱いの「ソーシャルゲーム」

DropShadow ~ graveth  mini 2013年になると、新しくリリースされるネイティブゲームにおいてはほとんどGREEやmobageを介さなくなりました。
それどころか、AppStoreやGoogle Playの紹介欄で「ソーシャルゲーム」という単語を使うこともしなくなりました。

もはや「ソーシャル」という言葉すら見かけなくなりつつあります。

今は「本格RPG」「ファンタジーRPG」とか「新感覚アクション」とかそういうワードに置き換えられています。
「ソーシャル」という言葉が入っただけで一定層から嫌悪されることをSAPはよく分かっていますので、GREEやDeNAでさえ使っていないわけです。

まだまだガラケーユーザーは相当数いますし、今なおソーシャルゲームを楽しんでいる人も多いので、ここでのビジネスは人によっては大事だと思います。
今なお、ガラケー公式の月額サイトで利益出してる人も多いわけですし。

ただし、この「ソーシャルゲーム市場」はもう惰性市場であって、しばらくは今のまま楽できるけど、ちょっとした逆風で一気に止まってしまう市場だとも思います。
ある程度の規模の企業がメインに突撃する市場ではないと個人的には思います。

DropShadow ~ playgameth  mini 「ブラウザはもう時代遅れだからネイティブや!」などという安直な話ではなく、「ソーシャルゲームから一段上の面白いゲームを作れるか」という非常に難しい段階・・・というか当たり前の段階にようやく戻ってきたのだと思います。

ネイティブアプリだろうがポチポチとガチャしかないようなものしか作れないところは、これから一気にジリ貧になるでしょう。
ネイティブだからソーシャルゲームが面白くなるなんてあり得ません。
単純でガチャだけの部分が一時的にウケたのであり、それが飽きられたらポチポチに先はありません。

裏返せば、ブラウザでもポチポチから脱却したゲームとして面白いものが出せれば、可能性は大いにあると思います。

ただ、当面ブラウザでは音とグラフィック面でリッチなものが難しいでしょうし、ブラウザゲー=ソーシャルカードバトルというイメージが強烈過ぎるので、これを覆すイメージが付くまで時間がかかるでしょうね。
こういう負のイメージを作ったのは自分達なので、これからブラウザで巻き返す!というところは自分達でいいイメージを作ればいいだけの話です。

ただ、ブラウザ専業のSAPが急に面白いゲームなんて作れるハズもなく、真似すればウハウハだったしっぺ返しがこれからジワジワ来るんだと思います。

一方で、これからのスマホゲームでは、またコンシューマメーカーが面白いものをたくさん出してきそうな気はします。
当面そこらのSAPでは歯がたたないかも知れません。

いずれにせよこの半年で、スマホ向けには「ネイティブであってもソーシャルゲームを作ったらダメ」というのは各メーカー側も分かったと思うので、今年の秋から年末にかけてオリジナリティのある「ゲーム」を出せるかどうかだと思います。

その前に8月の決算発表でグリモバショックが起きなければいいのですが・・・
ソーシャルゲームが終わったという明確な数字が見えてくる気がしますが、ガラケーの旧作ソーシャルでまだお化粧できてるかも。



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@J_Kumagai

Axel Games運営者兼ライターの熊谷です。 スマホゲームに特化して遊びまくっています。 なお、現在Axel Gamesではライターさん募集していますので、もし興味ある方いらっしゃいましたらメール下さい!(axelgames00[@]gmail.com)


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