Appleのガイドラインではグレーな招待コード
mobageとGREEでは必須仕様の友達招待特典。
実は、Appleのガイドラインではこれはグレーと言うかほぼクロであり、審査担当者によって解釈と判定にバラつきはあるもののiOSゲームでは基本的に「やってはいけないコト」になっています。
厳密には”招待される側にアイテムを渡すのはダメ”、”アンロックアイテムを報酬にするのはダメ”ということのようです。以前、私も「ニュースモンスター」というアプリをリリースした際にこの招待コードをバカ正直に入れたために2ヶ月もRejectを喰らっています。
この顛末を記載した記事がこちら。
■iOSアプリで招待コードはRejectされるゾ!
上記記事でも引用させていただいた、別の開発者さんでも同様の事態に。
■AppStoreの招待ID制リジェクトをめぐるやりとりとiOS6でのAppStore変更のまとめ – NAVER まとめ
で、最近のソーシャルゲーム系iOSアプリはこれを回避するためあの手この手を模索しています。
その中で、結構卑怯な施策が目に付くのであえて記事にしてみました。
Appleの審査は最初だけなので、その時点でバレなきゃいい
本質はコレです。
最初の審査時点で、Appleの審査員に気付かれなければいいのです。
本来、招待コードの入力遷移はプレイヤーに分かりやすくしなくてはいけません。
どのページからコードを入れるのか、どうしたら特典が付与されるのかをスグ見て分かるようにしておかなければなりません。
ガラケーのmobageやGREEではとにかく目立つところにシリアルコード入力欄がありますよね。
が、iOSゲーム(ネイティブアプリ)の場合、コレを変な階層に埋め込み、外部の公式サイトで説明するという形が以前は多く見受けられました。
設定メニューの奥底に置くとか、招待コードと分からない文言にしておくなど。
こうしてApple審査員をごまかして通過させていました。
万全を期すなら全てをアプリの外部に置けばいい
最近のトレンド(?)は、「お知らせ」に置いてしまう方法です。このお知らせ系は、WEBビューで作られていることがほとんどなので、HTMLベースで改変が可能です。データやページはHTMLでアプリとは関係ないサーバーに置かれています。
アプリからこのHTMLを読み込むだけですから、アプリの変更なしに内容を書き換えられます。
アプリに変更がなければ審査は必要ありませんから、これを利用するわけです。
審査の時には「サービスイン前なのでお知らせはありません」という建前でこのメニューの中身は空で審査に臨むのですね。こうすればAppleの審査員には、「ここには単なるお知らせが入るんだな」として問題視しません。
審査に通ってしまえば、ニュースリリースでサービスイン日を告知して、その間に用意しておいた招待コードやシリアルコード入力のインターフェイスを「お知らせ」に埋め込めばいいのです。
審査を通過して[Ready for Sale]の状態にしてしまえば、後はバージョンアップをしない限り審査はありませんので。
招待コードの是非ではなく、郷に入らば郷に従え
招待コードやシリアルコード自体は私は良い仕組みだと思っています。
メーカー&ユーザーの双方でメリットがありますし、出版不況で死に体だった雑誌社がソーシャルゲームのシリアルコード付き雑誌で生き返ったなど、多くの人にとって必要な仕組みです(笑)。
Apple自体これを全否定はしていません。
ただ、iOSで展開するならアイテムで釣る(DLさせる)のと、特典にアンロックアイテムはダメよというスタンスなのです。
これも、単にAppleの利益やビジネスモデルを破壊しかねないという理由で禁じているだけなので、個人的にはなんだかなあと思うわけですが、そこはプラットフォーマーの強み。
その中でビジネスをするなら従わざるを得ません。
これを、大手が我先にあの手この手で回避して、招待コードの仕様を入れるというのももっとなんだかなあと思うわけです。
パズドラやドラコイはルールの中で工夫している
パズル&ドラゴン(パズドラ)はそもそも安易な招待コードを採用していません。
ソーシャルゲームの仕組みややり方とは真逆で運営されています。
その上でiOSでNo1なのですから凄いとしか言いようがありません。
ドラゴンコインズ(ドラコイ)は、ハツトモというアイデアを打ち出しました。
招待コードと同じxx人誘えば特典ゲットという煽りを入れつつ、あくまでインストールした後のフレンド認証時に1人目のフレンドかどうかという着眼点は凄いなと思いました。
ハツトモを確実にゲットするには、事実上知り合いにドラコイをインストールしてもらって、フレンド検索で自分に最初のフレンド申請してもらうという根回しが必要です。
これはやっていることは招待コードとなんら変わりません。しかし、招待コードをばらまくという行為は回避しています。
Appleが招待コードやシリアルコードを媒介してのアイテム付与を禁じているだけなら、このハツトモならばクリアでしょう。
しかし、そもそもアンロック系のアイテムをゲーム内マネー(非課金)か課金マネー(AppStore経由)以外で付与することを禁じているとすれば、ハツトモでもアウトです。
ハツトモで得られる「リリス」は、このハツトモ以外では現状入手できないので、立派なアンロックアイテムです。
この辺はApple自体、審査員によって判断基準がバラバラなので何が正しいかよく分かりませんが。
いずれにしても、iOSゲームでは招待コード、シリアルコードの配布でのアンロックアイテム付与はNGなのですから、安易なモバグリ商法を持ち込まず、良いゲームを作ってクチコミとレビューでDL数を伸ばす方向に動いて欲しいところです。
そういう意味でもパズドラは凄いなと改めて思うわけです。
レビューを書いたら特典という仕様も、特典欲しさの☆5 ID書き散らしが横行して、レビュー欄がゴミになっていますので、これも早急にAppleは駆逐して欲しいところです。
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@J_Kumagai
Axel Games運営者兼ライターの熊谷です。
スマホゲームに特化して遊びまくっています。
なお、現在Axel Gamesではライターさん募集していますので、もし興味ある方いらっしゃいましたらメール下さい!(axelgames00[@]gmail.com)
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