2015年リリースタイトルは1/3しかランクインできず

本年もまったりとレビューをしていきますのでどうぞよろしくお願いいたします。
さて、表題どおり2016年1月1日のiOSトップセールスランキングを2015年1月1日と比べてみましたのでそれについてつらつらと!
※本記事のランキングは、appannieでカテゴリ「ゲーム」に絞った条件で書いています
iOSトップセールス20位以内は顔ぶれがほぼ同じ・・
<2015年1月1日 1位〜20位>

<2016年1月1日 1位〜20位>


2015年の年始はモンストがパズドラを恒常的に抜き去り、トップセールスでの世代交代を強く印象づけるスタートであったと記憶しています。
2014年下期からイベントタイミングやトラブル対応等で稀にモンストがパズドラを抜いて、パズドラが(抜かれてごめん的)お詫びを出すなどで話題になっていました。それが、2014年年末から2015年年始にかけてモンスト1位の日が多くなり、2015年1月1日もappannie上ではモンストが1位ですね。
そして今年、2016年1月1日もモンストがパズドラを抑えており、もう2015年はほぼモンストが1位、パズドラは2位陥落という状況でした。
正月帰省しましたら、昨年はパズドラに必死だった甥っ子共がモンストに鞍替えしておりましたw
<2016年1月1日ランキングで2015年リリース作品を色分け>

2016年1月1日ランキングの中で、2015年中にリリースされた作品はベージュに塗ってみましたが、20位までの中で6作品しかありません。
昨年あれだけ無数にリリースされたにも関わらず、上位陣の多くは1年間そのまま固定化されてしまっています。

21位から50位までの30作品中2015年リリースのものは9作品。
ここでもほぼきっかり1/3になってまして、実は100位、150位くらいまで広げてもあまり変化ありません。
150位以下になってくると、月商額がだんご状態なのとブーストとサービス終了が入り交じってデイリーで大きく動くのであまり参考になりません。
IPモノ以外のオリジナルは爆死率極めて高し!
<IPモノを赤で色分け>
上位20位のうち半数の10本がIPモノですが、2015年リリースされた作品で20位以内に入った6作品中5作品がIPモノです。つまり2015年に一気に上位陣のIP化が進んだことになります。
唯一オリジナルで19位と大躍進した「夢王国と眠れる100人の王子様」は女性向けですね。

つまり、セールス50位以内に入った2015年リリース作品15作品のうち8作品もIPモノで、20位以内の大ヒット圏ではほぼIPモノだったということです。
これでは売れたゲームとの協業or仕様パクリで、システムそのままIP乗せ変えただけのタイトルで溢れるのも無理ありません。
ただし、ユーザーも良く分かっているので、決してこの手の乗せ変えIP系では絶対天下は取れません。
モノによってはIPのチカラからすれば信じられないような失速をしているものも増えてきました。
とは言え、何も全てがトップを狙う必要もなく、月商数億を1年から1年半程度集金できれば良しというのがミエミエのタイトルも増えてきました。トップセールス100位以内をキープできれば十分ビジネスになりますからね。

この金額が売上額そのものか、それともストア手数料を引いた上でのものか分からないのですが、単純にiOSとAndroidでほぼ同額とすれば100位付近で月商2000万(1400万)と推定できます。
セールスで30位以内の大ヒットは無理でも、50〜80位あたりで月商1億を達成できればiOSとAndroidで月2億、ストア手数料引き後も月1.5億あれば万々歳でしょう。
2016年はさすがにもう対前年比で大きな増加が見込める市場ではなくなってきているとは思いますが、それでもまだ全体的な売上額は上昇します。
ゆえに、2016年も引き続き安易なIPの乱発と、売れたゲームの仕様パクリで100位以内を目指すタイトルがたくさん出てくると思われます。
一方で、頑張ってオリジナルで勝負しても開発費の半分近い広告費を用意して攻めることができなければ100位以内でも難しいので、ますますチャレンジするオリジナルは減っていくものと思われます。
アイドルモノと女性向けが伸びてきた

恋愛系タイトルに加え、いわゆるアイドル育成系も絶好調で、「あんスタ」「アイナナ」がセールスで50位以内、たまたまこの日は100位ですが、Mマス(アイドルマスターSideM)も100位圏内ですし、アイチュウも同様に100位圏内。
また、「夢王国と眠れる100人の王子様」が19位まで課金されるなど、女性向けタイトル全般の課金額がかなり伸びてきていると思います。

女性向け作品をIP化できれば、女性のコア層の方が熱狂的にお金を使ってくれますし(個人的推測ですw)、舞台化、CD化(ドラマCD)、書籍(高額設定資料集等)、飲食店(カフェ系)など利益率の高いサイドビジネスが回るのも大きいです。
2016年は女性向けコンテンツが更に拡充するとともに、激戦区になっていくと思います。
一方で中小デベロッパーのオリジナルは激減する
1本開発するのに3億〜5億、安く頑張っても2億という世界では、その1本を失敗すればさくっと5〜7億が溶ける時代になりました。これにより、今までデベロッパー兼パブリッシャーとして自社作品をリリースしていた会社がどんどん受託開発専門のデベロッパーに鞍替えしています。
いわゆるミッドコアというジャンルでは、資金力のあるパブリッシャーに固定されて多様化が薄れそうです。先に書いたようにチャレンジした作品は減り、ヒット作の真似やIP乗せ変え作品が増えると思われます。
既に2015年下半期はそのオンパレードでした・・・
スマホ発のIPを生み出す努力をせず、コンシューマ時代のIPをただただスマホ版として浪費していくだけの動きが2016年も加速するはずで、勝手に失望していますw
この予想は外れて欲しいものです。
ただしIPを使った希望もあって、それは以下の2点。
・ポケモンGOの登場
・任天堂の本格始動


いずれにしても今年はますますIPモノやシリーズモノ、リメイクモノで溢れ、広告費用を出せないオリジナルの良作は埋もれていくのでしょう。
この流れをポケモンGOと任天堂がどう変えていくのか、それとも変わらないのか・・・楽しみです。
アソビズムのようなパブリッシャーの出現に期待

以前、ドラゴンリーグの運営ではかなりネガティブ記事を書いていたと思いますが。。w
「ドラゴンポーカー」で協力対戦の面白さをシステムレベルで実現させたのに驚いたのに加え、2015年は「城とドラゴン」で果敢に対戦モノで勝負してきました。
Pay to Winになったら成立しないので、ガチャとの相性も悪く、バランス取りも非常に難しいリアルタイム対戦というジャンルで経営上ではまさかのガチャなしモデル。
新ユニットを先にプレイできる権利販売をメインにして、トップセールス50位前後まで上げてくるというのは凄いとしか言いようがありません。時短の経験値ブーストも買える数に制限つけてますしね。
高レアユニットを絞りまくっての廃課金誘導&インフレ化という手が使えない中でこれだけのセールスを達成するって考えられません。特に、対人よりも協力を好む日本市場でここまでやれるってスゲーなと。
ほとんどのパブリッシャーが経営陣の集金圧力によってガチャモデルから脱却できない中、よくこの仕様でGOしたなあと思います。
もちろんゲーム自体の出来が素晴らしく、対人・対戦でも勝負できるとの判断でしょうけど、それでもガチャ廃止でのリリースに踏み切るには、勇気と言うより信念がないとできないと思います。
純粋に面白いものを作って勝負するという信念でチャレンジできるのは凄いことです。
協力と対戦で2年連続あっと驚かせてくれたアソビズムさんが、今年は何で驚かせてくれるのか個人的には楽しみだったり。
とまあ、2015年と2016年の1月1日のセールスランキングを見てつらつら思ったことを書いてみました。
2016年はランキング上位陣が2周年、3周年もしくはそれ以上となってさすがに世代交代の時期ですから、新しい作品、文化が登場してくるのではないかと思います。
あとがき
エンディングもストーリーもないだらだらと続くタイトルでは思い出にならないので、今年は10年後も思い出して感動できるようなスマホゲームが出てきて欲しい。@J_kumagaiさんをフォロー

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@J_Kumagai
Axel Games運営者兼ライターの熊谷です。
スマホゲームに特化して遊びまくっています。
なお、現在Axel Gamesではライターさん募集していますので、もし興味ある方いらっしゃいましたらメール下さい!(axelgames00[@]gmail.com)
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