うーん・・なんでこれでリリースしたんだろう・・
※残念ながらオススメできる作品ではないためDLリンクは貼りません。蒸気演算ってどんなゲーム?
ウィザードリィのようなダンジョン探索型3DRPGで、世界観はスチームパンク。コア層向けの題材で安易なソーシャル性を排除した作品として、個人的に密かに期待していた作品です。
「怪物クロニクル」のプロデューサーで、現在「拡散性ミリオンアーサー」の運営を手がける桑田氏のMutations Studioが出すオリジナル作品として期待していましたが、いざ出てくると・・・何ともアレレな作品でした。
スチームパンクな世界観はアリ!
まずこのゲームの肝は、ウィザードリィ同様3Dダンジョン探索型のRPGです。移動は少々独特ですが、スマホライクでもあるので慣れれば問題ないです。
むしろ、ヴァーチャルスティックで操作するよりも個人的には楽でした。
で、スチームパンクな世界感で語られるストーリーはテキストメインです。
雰囲気は昔のゲームブックのような感じで、このようなタイプが好きな人にはタマラナイ感じ。
一方で、テキスト読むのが面倒なタイプならこのゲームは多分合わないです。
基本的にはタワー(ダンジョン)の各階をゴールの出口を目指して探索し、その間でモンスターと戦闘したり、クエストの対象を探したり・・という流れになります。
戦闘はこのような感じで、手前が味方で4人パーティ、奥が敵の配置でコマンドバトルです。
敵の配置は手前と奥の2段で、味方の武器で攻撃範囲が異なります。
例えば剣等の近接武器は同列の手前しか攻撃できず、ランス系は隣列まで届く、銃系は全てに届く・・など、武器により威力と攻撃範囲が異なります。さらにMPを使ってスキルが使えるので、状況に応じて使い分けるというのはRPGお決まりの仕様です。
ただ、味方キャラがまさかのこの1枚絵でピクリともしませんw
戦闘エフェクトは出るものの、さすがにこの戦闘画面が延々と続き、キャラが背面の固定絵ではあまりに戦闘が楽しくなく逆に驚くほど・・・
敵との列配置や味方武器の特性、スキルなど戦闘の仕様は少々こだわってるんですが、結局操作がうざったくテンポもあまりよくないので、全部オートにしちゃうんですよね。
見た目もよくない、戦闘自体も面白くないという点では割と致命的に感じました。
しかも更に驚くのは、地面に落ちているお宝やクエストのキーポイント、NPCまで全て小さな黄色い点で描写されている点です。
この画面だと左端に黄色く小さな点があるのが分かりますか?w
この点に到達すると、宝箱だったり、倒れたNPCだったりするわけですが、さすがにこのセンスはどうなんでしょ。
マップ上に点で表現するならわかりますが、実際そこに到達したら宝箱の絵が出たり、NPCの絵が出たりで表現すると思います。それすらしないという手抜き加減が凄いんですね。
こんな感じで黄色い点のキーポイントではクエストのストーリーが進みます。
この「蒸気演算」の世界観を重視して、あえてイラストを出さずテキストメインにしてるのかも知れませんが、全体的なクオリティが低すぎてそう感じません。単なる手抜きにしか見えない時点で失敗でしょう。
戦闘やクエストで得られる様々な素材から新たに武器防具を作るというハクスラ要素が強いので、ちゃんと作ってあれば楽しいゲームになっただろうなあと本当に残念。
装備や強化のUIもチープ
これはパーティメニューから各キャラの武器防具 編成メニューです。正直最初は装備の変更方法が全然分かりませんでしたw
各武器や防具をタップすると右上に現在装備中の武器が出ます。
その下に装備できる別武器があれば表示されるので、それをタップで装備が入れ替わります。
誰がどの武器系統を装備できるのか、防具はどの系統かが最初は全然ワカラナイですから、UIの難解さと合わせて全然ワカラナイんですね。
誰がどの武器を装備できるのか説明がないので、新たに入手した武器防具を装備する際に慣れるまでチンプンカンプンだったりします。
ちなみにヘルプには各武器種別にどのキャラが装備できるか書いてありますが、そんなもん余程ゲームにのめり込んで情報を探しまわらないと見つからないわけで、一体どれ程のプレイヤーがそこまで付き合ってくれるかかなり疑問です。
ダンジョンで武器防具のベースとなる素材と合成素材を入手すれば、「復元」で武器防具を作り上げて装備することができます。
いわゆるモンハンやディアブロ的なハクスラ要素がウリですね。
素材をドラッグして四角い枠に落とせば復元できます。
この辺も一切説明がなく、ドラッグするアイコンも物凄く小さいんですが、なんでこんな分かりにくいUIにするのか謎です・・・
こちらは強化画面です。
武器防具はそれぞれ個別に強化が可能で、強化回数まで強化できます。
で、所持武器防具から強化するモノを選ぶんですが、今装備しているモノがどれかすら表示されません。
つまり先にパーティ編成画面で誰のどの装備を強化するのか名前をしっかり覚えておかないといけませんw
強化するモノを決めてタップすると、先ほどの復元と同じUIが表示されます。
強化するモノを決めて遷移するのだから当該武器防具1個しか表示されないのは当たり前で、この小さなUIにする意味が分かりません・・
このように、ハクスラ系の一番の肝である装備の作成&強化のUIが信じられないレベルでして、これゲーム作ってた人の作るUIなの?と失礼ながら思わざるを得ません。
重要なバグが修正されない、告知方法が常識外れ
※バグの状況はサポートページを見ろとだけあって、じゃあそのページはどこだよ?と全く分からず・・※しばらくするとそのサポートページのありかがテロップに追加されてましたw
ちなみに、課金アイテムを買うページの課金に関する利用規約を表示するとそこにサポートページがあるという、超難問クエストだったり・・・
このゲーム、アイテム倉庫を使うには専用アカウントを設定しなければなりません。
これは、機種変時のデータ移行等を実現するためにサーバーサイドにデータを置くものでそれ自体は親切設計と言えます。
まあ倉庫使うのにアカウント設定という流れはどうかと思うけど・・・
ただここに重大バグがあって、アカウントを作った後アプリを落とすと、次回起動時に全データが初期化されてしまうというビックリする状況になります。
「続きからプレイできなくなる」とはモノの言いようで、全データが初期化されてるんです。
バグの中では最上級のシビアなバグです。
再起動時にアカウントにログインし直すときちんとデータが復旧するようですが、普通はビックリします・・
しかも再起動してもアカウントログインパネルが出ないというバグもあって、その場合はもうアプリの再インスコしかありません。もう無茶苦茶ですw 865MBもあるので再インスコとかする気になりません。
私の場合アカウントパネルが出ないまま初期化され、再インスコ必須なんですがもう心が折れたのでスクショ少なめです・・・
コレほど大きなバグがあって、2/24にはアナウンスが出ているのに審査に手間取っているのか全然修正されません。
恐らく出さないといけない事情があったんだろうけど・・・
去年の夏に出たファミ通appのインタビュー記事。『カイブツクロニクル』の桑田一生氏に直撃「いまなにしてるの?」
これを読んだ時、凄く期待したんですよね。
そうなんですよね。そういったユーザーさんが1万人くらいはいるはずなので、きっと商売になるかなと(笑)。元々このゲームで、『パズドラ』を超えようというつもりもないので、今後も海外インディーズのような、1万人くらいのユーザーさんが楽しんでくれるゲームは作っていきたいですね。
確かにコア層向けですし、ソーシャル性なし、ガチャなし、スタミナなしと非常に魅力的なチャレンジをされています。
しかし、実際出来たモノがこれでは仮にバグがなくなっても売れないでしょう。
スチームパンクな3DダンジョンRPGが好きな層ってゲーム好きなコア層ですし、ゲームを良く知っている、良く遊んでいる層です。
その層に対してこのレベルで勝負になると考える時点でどうかと思います。
いくらシナリオが優れてたって、UIと戦闘で魅力が出せなければ続ける人はいません。
これに加えてバグの迅速な修正対応や告知体制が全然整っていません。
このレベルでリリースに踏み切るのは、出資者のプレッシャーとか大人の事情的なアレがあったのかなとは思うけど、これはチョット手を入れたら何とかなるレベルじゃない気がするなあ・・
あとがき
ボロクソに書きましたけど、課金して初期化されると悲惨なのであえて書きました。今の感じだとまともなサポートも機能してないでしょうし。
ゲームメーカーが出すのなら、そのブランドイメージを壊さない最低ラインがあると思うのです。
Mutations Studioにとって次回作がかなりの試金石になるのではないでしょうか。
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@J_Kumagai
Axel Games運営者兼ライターの熊谷です。
スマホゲームに特化して遊びまくっています。
なお、現在Axel Gamesではライターさん募集していますので、もし興味ある方いらっしゃいましたらメール下さい!(axelgames00[@]gmail.com)
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