久しぶりに出会えたストーリー重視のスマホゲー
グリムノーツ
価格:無料
グリムノーツってどんなゲーム?
「グリムノーツ」はスクエニが放つオリジナルタイトルで、ストーリーを重視したRPGになっています。ストーリー重視を謳うスマホゲーに限ってシナリオが薄っぺらかったりしますが、本作は濃厚なプロットが感じられます。
システムでは自由自在に箱庭の王国を作れるプチストラテジーみたいな要素が魅力だ!
ストーリーの作りこみはグッド!
リリース直後からハンパないダウンロード数を稼いでるらしいグリムノーツですが(まぁリセマラが相当数ありそうだけど)、ストーリーはなかなか凝った出来になってますね。まぁ「グリム」というタイトルからなんとなく察する事が出来ますが、やはり童話をテーマにしたプロットになっており、なんか色々と童話に出てくるキャラクターが登場します。
あらすじをふわふわーっと説明すると、グリムノーツの世界では産まれた時に一冊の本(運命の書)が与えられ、自分はその本の主人公を演じて一生を生きる事になります。
例えば「運命の書」が「シンデレラ」だったら、自分は死ぬまでシンデレラを演じ、シンデレラの人生をなぞって生きるって事です。
しかしページに何も書いてない真っ白の「空白の書」を与えられる人も稀にいて、その人は誰の人生もなぞる事が出来ません。だから自分は何者やねん、どうすれば良いねん、どうやって生きれば良いねんと悩んでしまいます。
で、本作の主人公もやはり「運命の書」に何も書かれていなかった人間で、そんな彼はある日自分と同じく「運命の書」が真っ白だった女の子と出会います。この出会いが冒険の始まり。
世界にはヴィランとかいう魔物がはびこっています。魔物の正体は何か。
魔物を倒すとその魔物はどうなるのか?
誰の人生も持たない人間はどう生きれば良いのか。
などなど、そんな謎や葛藤に包まれた世界で主人公は出会った仲間たちと旅へ出るのです……。
って感じでざっくりとあらすじを書きましたが、これ以上深入りしたい人はゲームをプレイして下さい。
あんまり深く書くと楽しみ半減ですからね!
個人的にはなかなか面白い設定だと思います。
また、そこんちょそこらのスマホゲーのように序盤だけしっかりストーリー作って後は丸投げ、みたいな事はありません。
クエストは「ストーリークエスト」と色々なアイテムを収集できる「フリークエスト」の二つで進行します。
そのクエストはステージで分けられており、第一ステージは「シンデレラ」、第二ステージでは「赤ずきん」のようにテーマが用意され、序破急と物語が進んできちんと終わります。
……ってまぁ物語が始まって終わるとか死ぬほど当たり前の事なんですが、その当たり前が存在しないスマホゲーって沢山あるんですよね……。
立ち絵は万人受けしそうですかね。
そこまであざとい萌えを狙った感じはしません。
で、音楽がなんかすんごい「アトリエシリーズ」っぽいというか、メルヘンチックな感じで良曲が多いです。
グラフィックと音楽のおかげで良い雰囲気出せてると思います。
戦闘はアクションバトル!
主人公は様々な仲間と旅をするんですけど、彼ら「人間」は最大二人までの「ヒーロー」に変身する事が可能で、戦闘中は自由にヒーローの切り替えが出来ます。だからガチャで手に入れるのがそのヒーローって事になります。
ゲームをプレイしてたらクエスト報酬やミッション報酬で石が割りとぽんぽん手に入るんでかなりガチャ回しましたけど、最大レアリティ(星5)は一枚しか出なかったです。星4は結構出たのですが……。
バトルに参加出来るのは三人+サポート一人の合計四人。
そして一人につき二人のヒーローに変身出来る訳ですから、つまり戦闘に参加出来るのは事実上全部で8人ですね。
戦闘画面を見ただけでなんとなく遊び方分かっちゃいそうな気がしますが、画面タップで移動、敵キャラをタップで攻撃。背後にフリックで回避行動が取れます。
あと「必殺」アイコンを押せば必殺技を発動します。
AIの必殺技は顔グラフィックをタップからのフリックで発動。この動作がちょっとやりにくい……。
ちなみに戦闘はサクサク爽快!
豪快なエフェクトちゅどーん!
って感じではありません。
キャラクターの動きは割りとのんびりでエフェクトも控え目な感じ。
あとオートモードもあるけど、オート中でも操作は可能なのでセミオートでのプレイも可能です。
戦闘を有利にするコツはとにかく背後から攻撃する事。
正面より背後から攻撃した方がダメージは圧倒的に大きいです。
ていうかこれさえ出来てれば戦闘ではそんなに苦労しません。多分。
後はまぁヒーローごとに「アタッカー」とか「シューター」みたいなジョブがあり、武器と敵のタイプで戦闘の有利不利が変わります。だから敵によって最適なジョブを持つヒーローでパーティを組みましょう。
……とか言いたくなりますけど、まぁお察しの通り強いヒーロー揃えてりゃある程度はゴリ押しで行けます。
ヒーローの切り替えもそこまで頻繁にやる機会は無いと思います。
ヒーローの切り替えや背後からの攻撃など一応ポチポチゲーにならないような努力は見られました。
でも結局は「突っ込めー!」、「連打連打!」、「いつの間にか敵全滅ー!」みたいな感じで戦闘が終わってしまうのが残念でした。
まぁ単調な感じは否めませんが、かと言ってつまらないという訳でも無く……。
戦闘に関しては及第点といった所でしょうか。
箱庭の王国を作るべし!
肝になるシステムは箱庭作りですかね。王国はいわば主人公達の拠点になっていて、この拠点に武器を作る施設とか時間ごとにゴールド(ゲーム内マネー)を生み出してくれる施設とか、とにかく色々と便利な施設を建設出来る訳です。
そして施設は好きな場所に置けますよーレベルアップすれば施設内容が強化しますよー建設や改築をするには素材が必要ですよーって感じ。
こういうシステムを採用したゲームって増えてますよね。
最近だとセガの「ワールドエンドエクリプス」とか。
予想通り素材はクエストで入手可能、建設or改築するには時間がかかる……みたいな要素もあります。
時間の問題はさておき、施設数がかなり多いから素材集めは大変そうですね。
あと特筆すべきシステムとしては王国に武器研究所を作れば武器の作成が可能、その武器に「スキルコア」という物を取り付ければ武器の強化が可能。
ただ武器を作る時も素材が必要なので、やっぱ素材集めが大変そう。
でも素材収集にやりがいを感じられる人にとっては良いやり込みゲーになるかも。
ちなみにヒーローはクエスト消化でレベルアップ。
他に進化とレベルの限界突破もありと育成のやり込み要素もしっかり完備。
そして王国のお城のレベルを3まで上げれば他のプレイヤーとの協力プレイも可能。
とにかく遊べる要素はモリモリ突っ込んどいたぜ! って感じでした。
スクエニだからこそもうひと踏ん張り欲しかった!
さて。グリムノーツはここ最近プレイしたスマホゲーの中ではかなりクオリティが高い作品だと思いましたし、個人的にはかなりオススメです。久しぶりに熱中出来る面白さがありました。特にストーリーとやり込み要素はマル。
ただ、このゲームのデベロッパーは大企業スクエニでありもう時代は2016年です。
それを考えると、どうしても未だにテンプレ化された単調な戦闘システムを採用している事に疑問を呈したくはなります。
特にこのゲームはクエストの数がハンパ無いんでひたすら戦闘する事になるんですが、どうも作業的になります。
グリムノーツは本当にストーリーや音楽が秀逸でやり込み要素が豊富だし、グラフィックやインタフェースも洗練されているので見た目の満足度も高く本当にオススメ出来るゲームです。
でも戦闘は全くもって目新しさが無く単調です。この戦闘を飽きずに楽しめるかどうかでグリムノーツに対する評価はかなり分かれそう。
敵の背後にまわって攻撃!
とか色々なヒーローで戦うなど戦略性はそれなりにあるので、決してつまらない訳では無いんです。
ただ飽きるのが早そうって感じで。
そんなこんなでグリムノーツはかなり人気あるみたいなので敢えて厳し目の意見も書いてみましたが、単調な戦闘システムはほとんどのスマホゲーに言える事。
総合的に判断すればやはり「十分なクオリティ」という言葉を送っても問題無いでしょう。
グリムノーツ
価格:無料
あとがき
ライターさんにレビュー依頼する場合も全て私もプレイしてるんですが、今の売れ線をきちんと作ってきたなあと思いました。緻密な世界観と手軽で楽しいコアシーケンスの両立が実現できないとオリジナルモノは売れなくなってきてるなあと・・
ストーリー重視モノが大好物な私は当然継続プレイ中!
@J_kumagaiさんをフォロー
The following two tabs change content below.
平田 智也
ゲームレビューや脱出ゲームアプリのシナリオなどを執筆しています。
脱出ゲームのシナリオを3年間で約230本書いてみちゃったり、
1ヶ月にゲームレビューを50本以上書いちゃったりした経験を持つ道産子ライター。
最新記事 by 平田 智也 (全て見る)
- HIDE AND FIRE レビュー ネクソンの大作FPS!ガチFPSに近づいたのか!? - 2016/10/30
- モブサイコ100 〜サイキックパズル〜 レビュー モブサイコがシンプルなバズルゲーで登場! - 2016/10/09
- ブレイジングオデッセイ レビュー まさにスマホゲーファンにドンピシャのゲームだ! - 2016/09/15